サーフィンが出来ないほどの辛かった右腕の痛みとしびれが改善
仕事はデスクワークで日中は座っていることが多い。20年以上前から趣味でサーフィンを始め、現在は多い時だと週に3.4回仕事前に海に行っていた。
社会人になり慢性的な腰痛はあったが、1年前くらいからPC作業のため座っている時間が長くなり、椅子から立ち上がる時やサーフィンをした後に以前よりも痛みを強く感じるようになった。
中学生の頃にスケートボードで転倒し、左大腿骨骨幹部骨折で4か月ほど入院しけんい牽引療法で徐々に整復した。その時の外傷のため左下肢は短い状態で、左のふくらはぎは朝起きた時など吊りやすい。
25歳くらいからは両足の足首からつま先まで末端冷え性で寒くなると保温のためにサポータを着けている。
1年前頃から右腕から右手の母指と示指がしびれるようになり整形外科を受診。レントゲン、MRI検査で椎間板が狭く、頚椎ヘルニアの可能性があると診断され、処方箋と首の牽引と電気療法でリハビリに通院した。
3か月前頃に階段でつまずいて転倒した際、右膝関節を負傷。整形外科を受診し内側半月板損傷と診断され数日コルセット着用していた。転倒した時に右手を突いた。その時に右腕から首に走るような痛みを感じ、以前からある右腕のしびれが強くなった。
月に2回ほどリラクセーションマッサージや整体に通院していたが、右腕のしびれと右肩回りの痛みが徐々に強くなり夜も痛みで目が覚めるようなってきて、仕事や趣味のサーフィンにも支障をきたすようになり悩んでいた。
インターネットで調べて塩川満章D.C,のYouTubeでカイロプラクティックを知り藤沢方面で検索した。希望を持ち当院へ来院された。
右頚部から肩周りにかけての過緊張
左仙腸関節の明らかな可動域制限
仙骨全体の浮腫感
初診時の状態では、左仙腸関節には明らかな可動域制限があった。体表温度検査では、仙骨部と上部頚椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また骨盤と上部頚椎に強い浮腫が確認された。
初期集中期の段階では週2回のケアを提示したが、仕事の都合で週に1回のペースでケアを開始した。
3週目(3回目のアジャストメント)には、右腕の重だるい痛みとしびれは軽減しているが、母指と示指のしびれよりも前腕のしびれの方が気になると話されていた。
10週目(8回目のアジャストメント)には、左脚は既往歴があり脚長差はあり、骨盤の負担はかかりやすいと考えられるが、腰部脊柱起立筋の緊張、仙骨部の浮腫感は軽減し安定してきたことを確認できた。右母指と示指のしびれは軽減してきて、右肩甲骨から上腕部の痛みの方が気になる状態。
16週目(10回目のアジャストメント)には、検査で下部頚椎の浮腫感は軽減がみられ、前回からのアジャストメントが維持できていることを確認した。右肩甲骨から上腕三角筋後面にかけての痛みが強くみられ、サーフィンも1週間ほど休み様子をみたと話されていたが、母指と示指のしびれはほとんどにならなくなってきている。
18週目(13回目のアジャストメント)には、肩甲骨から右上腕部の痛みは消失していないが、痛みは軽くなり日常生活支障なくサーフィンも続けられている話されていた。
現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。
今回の右腕の重だるいしびれと痛み、腰痛は、骨盤のバランスが乱れから神経に負担が掛かったことが原因であったと考えられる。
腰痛は、体の土台である骨盤のサブラクセーションによるものと考えられた。左大腿骨骨幹部の既往歴で解剖学的上の下肢長脚長差があり骨盤には長年負担がかかりやすい状態で生活していた。検査では左の仙腸関節に可動域制限がみられたため左右の仙腸関節のバランスの乱れが腰部の椎間板に負担となってしまう。
右腕のしびれや痛みは、サーフィンや転倒した外傷による負担もあり整形外科でも頚椎ヘルニアの疑いと診断されて通り神経を圧迫してしていたため起こってしまったものである。頚椎ヘルニアと診断されている部位よりも下位でサブラクセーションを確認できた。サブラクセーションによっての負担が症状に繋がり、さらにそれ以前から骨盤のバランスの乱れ日常的に負担をかけていたと考えられた。骨盤のサブラクセーションは上にある背骨の配列には影響を与える。その結果、頚椎で慢性的に必要以上の負担がかかったことが根本原因であると考えられた。
アジャストメントによりサブラクセーション(根本原因)が取り除かれ、脳と体の情報伝達である神経のサイクルが正常に働いた結果、右腕のしびれや痛みの改善に繋がったと考えられる。
神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が確認できる症例である。
執筆者前田カイロプラクティック藤沢院中島 恵
新潟県東蒲原郡出身。柔道整復師の免許を取得後、整骨院に勤務。様々な講習会に参加している中で本来のカイロプラクティックの考え方に興味を持つようになり塩川スクールを受講する。カイロプラクティックで地域や社会に貢献したいという思いが強くなり、日本のカイロプラクティックの発展に尽力してまいります。