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右脚のしびれを伴う腰痛

右脚のしびれを伴う腰痛

ぐっすり眠れるようになった。

40代女性
主訴
右脚のしびれを伴う腰痛
来院に至った経緯

これまで大きな腰痛の既往はなく、日常生活において腰部の不調を意識することはほとんどなかった。しかし、ここ最近になり、これまで経験したことのない腰の痛みを自覚するようになった。

仕事は主に書き仕事が中心であり、長時間のデスクワークに従事しているが、過去にはそれによって腰痛や下肢の不調が生じたことはなかった。勤務時間は10時から19時までであるが、業務内容や職場環境は比較的緩やかで、心身に強いストレスを感じる状況ではないと本人は認識している。平日は仕事を行い、週末は自宅で過ごすこともあれば外出することもあり、生活リズムは比較的安定している。

運動習慣としては、週に1回ヨガを行っている。ヨガは健康維持や身体の調整を目的として継続しており、これまでは大きな不調を感じることなく行えていた。しかし、最近になってヨガの最中に右脚全体に違和感を覚えるようになり、特に動作によっては右脚の感覚に不安定さを感じる場面が出てきた。

さらに先月、突然右脚全体の感覚がなくなるという症状を経験した。その際には、その場から動くことができなくなり、強い不安を感じたが、しばらく時間が経過すると徐々に感覚が戻り、最終的には通常通り歩行や動作が可能な状態へと回復した。この症状は一過性ではあったものの、本人にとっては非常に衝撃的な出来事であった。また、このような右下肢の感覚障害は先月が初めてではなく、その前の月にも同様の症状を一度経験していたことが後から思い出された。

現在は、右脚全体の感覚が完全に消失するような状態には至っていないものの、腰の痛みとともに右足への違和感が断続的に出現しており、再び同様の症状が起こるのではないかという不安を抱えている。これまで腰痛とは無縁であったこと、また生活環境や仕事の内容に大きな変化がないにもかかわらず症状が出現していることから、単なる疲労や一時的な不調ではない可能性を感じるようになった。

このまま様子を見るだけでは不安が拭えず、症状の原因を明らかにし、今後安心して日常生活やヨガを続けていくためにも、身体の状態を全体的に確認し、根本的な視点から整える必要があると考え、来院に至った。

初診の状態
  • 01

    右仙腸関節の可動制限

  • 02

    右仙腸関節周囲のスポンジ状の浮腫

  • 03

    後頭下の浮腫

経過と内容

初診時の状態では、左環椎横突起周囲に浮腫、後頭下筋の過緊張、右腰部起立筋の過緊張、右仙腸関節周囲に浮腫が確認された。体表温度検査では、S2エリアと下部・上部頸椎に明らかに左右の温度の誤差が確認された。また右仙腸関節と頸椎1番に可動制限が認められた。

 

レントゲン評価では、腰の椎間板の段階は慢性的なD3レベルで、頸の椎間板の段階は慢性的なD3/4レベルが確認された。

初期集中期では仕事の都合上、週1回のケアから始めた。

4週目(4回目のアジャストメント)には、日常生活やヨガでは痛みを感じることがなく、座りっぱなしが続くと腰の張りを感じることはあった。最近睡眠の質も良くなってきているとのこと。左環椎横突起周囲と右仙腸関節周囲の浮腫が減少し、後頭下筋の過緊張も軽減してきた。また右股関節の開排制限も見られなくなった。

9週目(6回目のアジャストメント)には、ヨガも問題なく出来ており座りっぱなしが続いても腰の張りが気になることは無くなってきたとのこと。足のしびれも出ていない。右腰部起立筋の過緊張が軽減してきた。通院間隔を空けていくこととした。

25週目(10回目のアジャストメント)には、日常生活やヨガも問題なく出来ている。睡眠もぐっすり眠れるようになったと喜んでいた。

現在も定期的なカイロプラクティックケアを希望しており、メンテナンスをしていくこととした。


考察

本症例は、左右の可動性の差が明確であった右仙腸関節を土台として評価し、上部頸椎および骨盤領域の副交感神経系に焦点を当ててアプローチを行ったことで、腰痛や右脚のしびれに加え、睡眠の質の改善が認められた症例である。

初診時には、左環椎横突起周囲と右仙腸関節周囲に浮腫がみられ、後頭下筋および右腰部起立筋には過緊張が確認された。体表温度検査では、S2エリアと上部・下部頸椎に明らかな左右差があり、自律神経、とくに副交感神経系の機能低下が関与している可能性が考えられた。また、右仙腸関節および環椎に可動制限が認められ、骨盤と上部頸椎の連動性が低下している状態であった。レントゲン評価では、腰椎および頸椎に慢性的な変性所見が確認されたが、急性の構造的問題は認められなかった。

ケアは、まず土台となる右仙腸関節へのアプローチから開始し、あわせて上部頸椎および骨盤領域の副交感神経系に絞って行った。ケアの継続により、日常生活やヨガ時の腰痛は軽減し、右脚のしびれも消失していった。局所的には、右腰部起立筋の過緊張や仙腸関節周囲の浮腫が減少し、右股関節の可動性も改善していったことから、骨盤機能の回復が全身の動作に良い影響を与えたと考えられる。

また、本症例では疼痛やしびれの改善と並行して、睡眠の質が向上した点が特徴的であった。上部頸椎および骨盤領域は副交感神経と深く関係しており、これらの部位に対するアプローチによって自律神経のバランスが整い、休息や回復に必要な状態が作られた可能性が高い。実際に、症状が安定するにつれて疲労感が軽減し、深く眠れるようになったことが本人の自覚としても確認されている。

以上より、本症例は、仙腸関節を土台とした評価とアプローチに加え、上部頸椎および骨盤の副交感神経系に焦点を当てたカイロプラクティックケアが、腰痛や下肢症状だけでなく、睡眠を含む全身状態の改善につながった一例であると考えられる。

金城 寿生

執筆者塩川カイロプラクティック金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティックに入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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