
“楽しく仕事もショッピングもできるようになりました!”
昨年の12月頃から、左のお尻の下あたりに鈍く重たい痛みを感じるようになり、日常の中でふとした動作に違和感や不安を覚えるようになっていた。痛みが本格的に気になるようになったのはその頃からだが、実際には数十年にわたり、腰まわりの不調と向き合い続けてきた感覚がある。30代、40代、50代と、節目のようにぎっくり腰を経験しており、また50代のときには坐骨神経痛で半年間仕事を休まざるを得なかった時期もあった。そんな過去の経験から、また同じことを繰り返すのではないかという強い不安が今回も頭をよぎったという。
現在は激しい痛みがあるわけではないものの、長時間座っているとじわじわとした鈍痛が増してくる。特に、姉の陶器の仕事を手伝う際には中腰の姿勢が長く続くため、そのたびに痛みが気になって集中できないことも多かった。こうした不調は単なる「腰の問題」だけでは済まされず、気がつけば睡眠の質にも影響が出てきていた。寝つきが悪く、ようやく眠りについても夜中に何度も目が覚めてしまう。朝になっても疲れが抜けず、心身ともにスッキリしない日が続いた。年齢的なこともあるとは思いつつも、血圧の薬や便秘の薬を飲みながら、どこか「自分の身体が思うように動かない」という感覚に対して焦りや苛立ちのようなものも感じていた。
本当はもっと活動的に過ごしたいという気持ちは強くある。普段は福島に在住であるが、東京に来た際の買い物が好きで、街を歩いてお気に入りのお店をまわる時間は自分にとって大切な楽しみだったが、最近はその時間すらも「疲れそう」「腰がつらくなるかも」と無意識に避けるようになっていた。また、姉の仕事をこれからも助けたい気持ちは変わらずあるが、身体が思うように動かないことで迷惑をかけてしまっているのではないかという申し訳なさもあった。
湿布や市販薬ではどうにもならないこの状態を、根本からどうにかしたい。このまま年齢を重ねていくことに不安を感じるようになり、「今、なんとかしなければ」という気持ちが日に日に強まっていった。そうした想いから、身体全体のバランスを見直し、回復力そのものを取り戻すために、カイロプラクティックの力を借りてみようと思い、来院を決めた。
左の脊柱起立筋の過緊張
右乳様突起周辺にスポンジ状の浮腫
右胸鎖乳突筋の過緊張
歩けはするがどの体勢も辛い感じがする状態
腰椎側面像、頚椎側面像において、D4~5と椎間板の摩耗が確認でき、サブラクセーションが発生してから、かなりの時間が経過している。そのため、初期集中期として週に3回のケアを推奨するも、福島から東京へのご来院ということで、初期は3週に1回程度で、一度のご来院で2回アジャストメントをすることとし、ケアをスタートした。
5週目(3回目のアジャストメント)では、初診において、左の仙腸関節の可動域が非常に制限されていたが、大きく改善されスムーズに機能するようになっている。腰の状態は悪くないとのことであり、眠りが深くなったことが一番の変化として見られているとのこと。
8週目(5回目のアジャストメント)では、腰はそういえば気にならないで過ごせたとのことであり、首もお姉様の仕事を手伝っていてもさほど気にならなくなったそう。骨盤の神経圧迫についても減少傾向にあり、仙骨翼の浮腫感も小さくなっている。また、この日のアジャスト間には院から40分程度離れた駅でお買い物をしてこられたとのことで満足されていた。
12週目(8回目のアジャストメント)では、最近は腰首の状態が良いことから、仕事量を増やせているとのこと。胸鎖乳突筋の緊張は以前よりほとんど気にならなくなった。左右の骨盤も可動域はスムーズである。
現在は月に1回のペースで、午前午後と1日2回のケアを継続している。
ケアのインターバルには、銀座をはじめ東京都内を歩き回りショッピングを楽しまれている。
この方は、30年以上前から腰痛に悩まされ、22年前には椎間板ヘルニアと診断されました。その後も何度もぎっくり腰を繰り返し、坐骨神経痛やしびれなどの症状に悩みながら、長い年月を過ごしてきました。検査の結果、骨盤や腰の関節にサブラクセーション(神経圧迫)が見つかり、神経に負担がかかっていたことがわかりました。
特に、骨盤の関節に問題があると、それをかばうように他の場所に負担が集中し、結果として腰の骨の間にあるクッション(椎間板)がすり減ってしまうことがあります。そのため、最初から腰そのものに強い刺激を入れるのではなく、骨盤から段階的にケアを進めることで、体が無理なく回復できるよう配慮しました。
また、この方は「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」「朝起きても疲れが取れない」といった睡眠の悩みも抱えていました。これは、自律神経のバランスが乱れていたことが関係している可能性があります。首の一番上にある骨(第一頚椎)は、自律神経をコントロールする脳の中枢に近く、ここを整えることでリラックスの神経(副交感神経)が働きやすくなります。その結果、「朝までぐっすり眠れるようになった」とご本人も感じられるようになりました。
このように、カイロプラクティックのケアを通じて、腰の痛みだけでなく、眠りや体全体のバランスまで整っていったことが今回の大きな変化でした。東京への買い物や、大切なお姉さんのお仕事を手伝うことも、今では楽しめるようになり、心にも余裕が戻ってきたとのことです。これは、単に痛みを取るだけでなく、その人の「暮らしの質」そのものを取り戻すケアになったという意味で、とても象徴的なケースと言えるでしょう。
執筆者塩川カイロプラクティック治療室関野 貴友
1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。