交通事故のムチウチにより全く動かなくなってしまった首

来院に至った経緯

デスクワークを長年続けており、首こりの症状があったりなど元々首には負担がかかっていた。

半年前に突如交通事故にあった。車運転中信号で止まっていたところ、後から衝突された。そこまで早いスピードで衝突されたわけではなかったが、全身に強い衝撃が走った。最初は軽くぶつかっただけで、軽く首に痛みがあり筋肉がこわばっている状態だった。生活や仕事に支障がなかったためあまり気にしていなかったが、徐々に症状が悪化し始めた。1週間経つ頃には左右をほとんど向くことができなくなってしまい、慌てて病院へ駆け込むと骨や靭帯などに異常は見られず、ムチウチと診断を受けた。病院では痛み止めや湿布を処方され様子を見てくださいと言われたが、1ヵ月経った頃には首の痛みで睡眠が取れなくなってしまっていた。首はガチガチに固まりほとんど動かせない状態が続き、枕が合わないのかと思いいろいろ高さを試したが全く変化しなかった。元々仕事中は慢性的な首こりで、長時間パソコンを見ていると首が辛くなったりなどがあったが、今回は左右を向けなかったりなど、最初からパソコン画面を見るのも大変な状況になってしまっていた。

交通事故による保険適用で整骨院に3ヶ月通ったが、受けた直後は良いもののまたすぐ同じ状態に戻ってしまうというサイクルを繰り返し、目立った改善がないまま3ヶ月経ってしまい保険の期間も切れてしまっていた。

このままでは困るためどうしようかと悩んでいたところ、奥様の腰痛が当院のカイロプラクティックで改善したことを知り、ここなら良くなるのかもしれないと望みを持って来院された。

初診の状態

• 01

  上部頸椎の過緊張

• 02

  左右の回旋制限

• 03

  睡眠不足からか、ボーッとしている

経過と内容

病院ではレントゲン撮影やMRI検査を行い特に異常は見られず、むち打ちであると診断を受けていた。レントゲン評価では頸椎には変形が見られたりなどムチウチより前から慢性的に負担がかかっていることがわかったことに加え、腰椎側面像では腰椎5番の椎間板のレベルはD3とそこそこの慢性度合ではあったが、あちこちに変形している椎骨が確認できるなどしていたため、まずは最低週一回のペースのケアから始めることにした。

3回目のアジャストメント時にはむち打ちのような首の痛みが以前よりも軽減した。初診時にはほとんど動かせなかった首がある程度（左右回旋45度くらい）左右を向けるようにはなってきており、本人も変化を感じているとの事だった。

6回目のアジャストメント時にはムチウチのような痛みはほとんどなくなり、首も問題なく動かせる状態になっていた。上部頚椎の緊張も抜けてきていたが、慢性的にあった首の凝りのような症状か逆に多く感じるようになっていた。しかし、リスティングに確信を持っていたため同じ箇所でアジャストメントを続けていくことにした。

9回目のアジャストメント時には、首の凝りのような症状もほとんどなくなり仕事中なども以前あったようなこりも気にすることなく仕事できるようになった。上部頸椎の課金長もかなり抜けてきており、2週間で1回のペースに切り替えました。その後も体の経過を良く、現在は月に1回のペースで来院を続けている。

考察

今回のケースは、交通事故によるむち打ちの症状が主訴での来院だった。問診では、とにかく首が動かせず、寝る時も首が痛くて寝ることができない状況のため時々睡眠剤を飲んでいるとのことだった。

実際に検査をしてみると上部頸椎、特に左後頭顆に過緊張が見受けられた。骨盤も仙腸関節がはっきりとサブラクセーション（根本原因である神経伝達の異常）起こしていることが確認でき、また、身体全体の筋肉が過緊張しているような強張りが確認できた。副交感神経領域にサブラクセーションが起こると、交感神経が過剰になるため筋緊張などが顕著に現れる場合がある。今回は身体全体の強張りと上部系頸椎の過緊張があったことに加え、上部頸椎にはっきりとしたサブラクセーションを確認することができたため、まずは副交感神経に絞ったアジャストメントを続けていくことにした。

またムチウチのような外傷の場合、はっきりとしたサブラクセーションを確認できることがあるが、今回のケースでは上部頸椎にはっきりとしたサブラクセーションを確認することができた。

また、ムチウチなどの外傷の場合は早い段階でカイロプラクティックケアをお勧めする場合が多い。安全性を確認した上でサブラクセーションを正確に取り除くことで、サブラクセーションの慢性化を防ぐことができるからだ。

今回は奥様からの相談を受けて早い段階での来院をお勧めしたが、あまり長期間サブラクセーションを放置しなかったことが早期の症状の改善に大きく影響したと考えられる。

外傷などがあっても慌てずリスクマネジメントを徹底した上で、サブラクセーションを特定し上部頸椎のアジャストメントを続けていく中で、脳と体が神経によって正常につながり、症状が改善につながったと考えられる。