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10〜20分の座位姿勢での両足のしびれ

10〜20分の座位姿勢での両足のしびれ

座っていると両足が痺れてくる

20代女性
主訴
両足のしびれ
来院に至った経緯

中学生の頃からマーチングバンドに所属し、日々の練習に励んでいたが、その頃から腰に違和感を覚えるようになった。演奏の際の姿勢や長時間の練習による負担が原因だったのかもしれないが、当時は部活に集中することを優先し、腰の痛みは多少気になりながらも騙し騙し過ごしていた。しかし、痛みが強くなることもあり、地元の接骨院で治療を受けながらなんとか部活動を続けていた。治療を受けることで一時的に楽になることはあったが、根本的に痛みが消えることはなく、常に腰に違和感を抱えたまま生活を送っていた。

その後、上京し都内で就職。社会人として新たな生活をスタートさせたが、仕事で長時間立ち続けたり、前かがみの姿勢が続くことが多くなったことで、腰の痛みが次第に悪化していった。特に右側の腰に痛みを感じることが増え、横になって休もうとしても、起き上がるのが辛く感じることが多くなった。仕事の疲れも相まって、腰の痛みが抜けにくくなっていることを自覚しながらも、仕事が忙しいことを理由に特に治療を受けることなく過ごしていた。

さらに、大学時代には両足にしびれを感じることもあったが、一時的なものだろうと考え、特に気にせずそのまま放置していた。しかし、ここ最近になって症状が悪化し、長時間座ることができなくなってきた。特に10〜20分座っているだけで両足がしびれるようになり、立ち上がった際にもしばらく感覚が戻らないこともあった。最初のうちは仕事中に足を組み替えたり、姿勢を変えたりしてなんとかやり過ごしていたが、それでも改善されることはなく、むしろしびれが強くなっているように感じることが増えてきた。

そうした状況の中で、仕事にも支障が出るようになり、このままでは業務に集中することも難しくなるのではないかと不安を抱くようになった。腰の痛みだけでなく、両足のしびれまで悪化してしまうと、日常生活にまで影響が及ぶのではないかと感じるようになり、本格的に治療を考えるようになった。ちょうどその頃、帰省した際に地元の接骨院で相談したところ、症状が慢性化しているため、より根本的な治療が必要であるとの助言を受けた。そして、長年の腰痛の改善を目的として塩川カイロプラクティック治療室を紹介され、ここでなら根本から治療できるかもしれないと考え、来院することを決めた。

初診の状態
  • 01

    仙骨周囲の浮腫

  • 02

    腰部の筋緊張

  • 03

    骨盤の可動制限

経過と内容
•腰部椎間板の状態としては、D3、4に相当するので週2回のケアが考えられたが、仕事の都合も考慮し週1回のケアからスタートしました。
・初診から7日後に来院(2回目のアジャストメント)前回後、楽に眠れた。また一昨日まで日常生活も腰が楽だった。左の仙腸関節の可動制限がみられ、L5/Sの椎間板の状態から土台である骨盤部の影響が考えられたため、副交感神経領域に絞りアジャストメントを行いました。
・前回から7日後に来院。前回後、仕事中も楽に行うことが出来た。アジャストメント後、腰部の体表温度差は安定した。連休と重なり次回は約2週間後に経過を見ることにしました。
・初診から約1ヶ月後(4回目のアジャストメント)。大きい赤ちゃんを抱っこしたら腰の痛みあったが、中腰や左右回旋時の腰部痛は落ち着いてきた。左仙腸関節は可動してきており、左短下肢も目立たなくなってきた。仙骨上の浮腫も限局し、ブレイクの見られる仙骨に対してアジャストメントを行いました。
・初診から8週間後(6回目のアジャストメント)。大きい赤ちゃんを抱っこしても腰は辛くなかった。体表温度も安定してきた。腰部の状態も安定し、上部頸椎は可動してきたので、体表温度差と可動制限が残存しており、レントゲン上で後下方見られる下部頸椎、川崎病の既往歴があり、冠状動脈に障害が発生しやすいとのことですが、心臓の支配神経領域である背部にもサブラクセーションの兆候が見られたため、アジャストメントを開始しました。
・初診から約3ヶ月後(8回目のアジャストメント)。仕事も困らなくなり、腰に負担がかかっても次の日まで影響しなくなった。今後も健康維持の目的で、月に1回のメンテナンスに移行しました。

考察
現在は看護師として小児科病棟で勤務しているようですが、私生活だけではなく仕事にも支障が出てしまったため、地元で通っていた接骨院からの紹介があり来院して頂きました。
初診時から仙骨周囲のスポンジ上の浮腫が顕著でした。
レントゲンで骨盤の左右差も見られたため、腰部椎間板の状態から脊柱の土台である骨盤部の不安定により負担が増加しているようでした。負担が増加することにより両下肢の痺れとして身体のシグナルを出していたと考えられます。
まずは左の仙腸関節の可動制限が見られたので副交感神経領域からアプローチを行いました。仙腸関節が可動してきた後も仙骨部の限局した浮腫と体表温度差が残存していたので、腰仙部の安定を目的として仙骨に移行しました。腰部の状態が安定した段階で、交感神経領域にもアプローチを開始しました。
新しい環境に変わった際に身体も順応しますが、負担が増え上手く順応出来なくなってしまうと、サブラクセーションが発生し回復が遅くなります。するとさらに順応しにくくなっていきます。
いろんな環境や新しい条件に、上手く身体が順応出来るようケアすることにより、最大限のパフォーマンスを発揮出来るようになります。
今回の方は脳からの神経への伝達がスムーズになり、身体の状態を把握し治る力が最大限に発揮され改善に至ったと考えられます。
金城 寿生

執筆者塩川カイロプラクティック治療室金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティック治療室に入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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