慢性的な疲労からの様々な不定愁訴がみるみる改善
年初めから、不眠・倦怠感・こめかみの寒気・四肢のさめる感じ・息苦しさ・足に力入らない・下痢気味・右の耳鳴りなど様々な症状が多く発症した。病院を渡り歩くも、血液検査、MRI、CT、コロナやインフルエンザの検査などを行うも一切問題がなく、自律神経失調症やうつ病など様々な病名を多く診断される。本業が人前での仕事であるため、息苦しさが出てしまうということが、非常に困っており、出張中の飛行機で倒れてしまうことも経験する。これまで出来ていた外食やウォーキングなどもまともに出来ず、苦しい日々が続いてしまった。
原因も不明であることから不安は募るばかりで、仕事が継続できない場合、収入面がなくなってしまうこともさることながら、生きがいであった仕事ができなくなることが何よりも辛く、将来に不安を感じている。上京してきてがむしゃらに働いていたが、現在は以前のように無理をしてでも気持ちで乗り越えるということができず、ギャップにも苦しんでいる状態である。
鍼灸や漢方を試すも、大きな改善は難しく時間がかかりそうで不安と闘う日々を過ごしていたところ、塩川満章先生の動画をたまたま見つけ、少しでもこの状況が改善できればと、当院に来院することを決心された。
仙骨を中心としたブヨブヨした浮腫
右の胸鎖乳突筋の過緊張
右後頭部の浮腫
第7頚椎を中心とした浮腫
背中の皮膚荒れ(ニキビや乾燥)
腰部や頸部の椎間板がD2~3へ移行している段階が確認されたため、週1回のケアを提案し、仕事の合間でお越しになれる際にできるだけ、ご来院いただくようにケアを始めた。
2回目(2週目のアジャストメント)の際には、今まで感じていなかった疲労感を自覚できるようになった。重だるい感覚があり、良い意味で体の状態が把握できるようになった。今までは疲れているのかどうかも麻痺してわからない状態であった。
3回目(3週目のアジャストメント)の際には、手足の温度感覚の異常があまり気にならなくなる。また、首や腰の調子はアジャストメント後5日間はよかったが、天気が悪くなった際にまた辛くなった。
5回目(5週目のアジャストメント)の際には、今までで1番体調が良く仕事をすることができた。手足の感覚の違和感はほとんど消失した。
6回目(6週目のアジャストメント)の際には、体調は全体的に問題ない。術者目線で言えば、背中の皮膚荒れが非常に和らいでいた。神経の状態がかなり変わってきた証拠だと考えられる。残るは睡眠がしっかり取れて気持ちよく起きれたら最高というような状況になってきている。ここから仙骨のアジャストメントをしたら、上部頸椎のブレイクや可動域制限が消失したため、メジャーを仙骨とし、仙骨のみのアジャストメントとした。
15回目(16週目のアジャストメント)までの間に体調が悪化していく感覚はなくなり、睡眠も全快とまではいかずとも、十分に取れている。また、実際に術者が患者の仕事姿を見る機会をいただいたが、側から見る雰囲気としては、他の方と同様のパフォーマンスを出せており、安心して見ることができた。だが、仕事後は反動が少しあるらしく、しっかりとした休息を取らなければ無理はできない。とのことである。現在も、仕事と休息のパフォーマンスを向上させるためにメンテナンスを継続中。
この患者様は、複数の体の問題を同時にたくさん訴えていらっしゃいました。1番のお悩みはなんでしょうか?とお聞きしたとしても、絞り切ることはできずとにかくお辛い状態です。
それらに対して、1つ1つ追求していくことも非常に重要ではありますが、複数の問題が積み重なる時というのは、原因はシンプルであるケースが非常に多いです。
今回の場合は、すべて副交感神経領域の神経の圧迫が原因として考えられます。副交感神経というのは、自律神経という神経の1種で、主にリラックスする時に必要になってきます。車で言えばブレーキのようなものです。
この副交感神経がうまく働かない状態が起こってしまうと、睡眠が十分に取れなくなってしまったり、それによって身体の回復も遅れることから、倦怠感が出てきたりもします。また、血管の拡張や収縮がうまく行えないので、妙な寒気や真反対の火照る感覚など温度調整機能にも影響を及ぼしてしまうのです。
また過去に上京をしてきて、必死で仕事をしていた時代に、自分の体のことは後に回して、睡眠を削り続けたという経歴があることも考慮する必要があります。
今回のような様々な症状が訴えられるような場合に、まずそれらの問題はどのような神経と関係があるのかというところに着目すると、原因を特定することが可能になります。そして、神経の働きが正常になれば、自然治癒力が十分に発揮されて、回復に至るのです。
多くのお悩みを抱えていらっしゃる患者様におかれましても、それらの問題をピックアップしてこれは、普段リラックスできていないから起こっているのか。または、活発に活動できていないから起こっている問題なのか。ということを整理してみると解決の糸口が見つかるかもしれません。
執筆者NEOCHI関野 貴友
1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。