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三叉神経痛

三叉神経痛

脳神経外科、ペインクリニックや歯科では検査異常なしと言われた。

50代女性
主訴
口腔内の痛み
来院に至った経緯

3年前に左首に帯状疱疹が出て左耳に痛みが出たりした。その後落ち着いたが、口の中の上あご部分に痛みが出るようになった。ペインクリニックにて副交感神経の上昇によるものではないかと診断を受けて痛み止めや漢方を処方してもらっていたがあまり改善は見られなかった。脳神経外科や歯科でも診てもらったが問題なく、アレルギー検査でも異常はなかった。また、昨年春には重たいものを持ち上げた際に腰痛があり、接骨院通院して良くなった。旦那さんが当院に通院しており紹介を受け来院に至った。

初診の状態
  • 01

    左環椎横突起部に浮腫感

  • 02

    左胸鎖乳突筋の過緊張

  • 03

    骨盤部の可動制限

経過と内容

腰部と頚部の椎間板にD3/4にレベルと慢性的な段階が確認されたため、週2回のケアを提示したが、本人の希望もあり週1回のケアからスタートすることにした。

3週目(4回目のアジャストメント)には、左環椎横突起の浮腫感は減少し左胸鎖乳突筋の過緊張も減少してきた。漢方は1日3回飲む頻度だったのが、1回でも痛みの頻度が減ってきた。 以前より予定されていた歯科でのCT検査でも問題なかった。10日後に経過を確認することにした。

8週目(7回目のアジャストメント)には、左仙腸関節周囲の浮腫感も軽減してきた。痛みの強さが減少して漢方を飲まなくても平気な日が出てきた。2週後に経過を確認することにした。

12週目(9回目のアジャストメント)には、口腔内の痛みの出現頻度がだいぶ減少した。日常生活も身体が軽く上部頸椎と骨盤も安定してきているため、1か月に1回のケアを続けることにした。


考察

今回の三叉神経痛は、上部頸椎の神経圧迫が原因と考えられる。口の中の上顎(上口蓋)には三叉神経の第2枝である上顎神経が上顎に知覚に関係する。

一般的に三叉神経痛とは、電気ショックのような激痛や突き刺すような痛みを耳や目、額、あご、口や顔に感じることが多く、顔を触ったり、噛んだり、話したり、磨いたりすると起こる痛みや発作が出て、過敏になったり、痛みに敏感になったり、チクチク、ヒリヒリとした不快感がある。
痛みの発作は1回だけの場合もあれば、1時間ごと、あるいは数秒ごとに鋭い痛みを感じる場合もある。

原因としては、脳血管血管により三叉神経を圧迫することで痛みを引き起こすことと考えられている。その他、帯状疱疹ウイルス、脳腫瘍、多発性硬化症が原因とされている。また治療法としては、主に薬物療法・神経ブロック・手術療法となっている。

今回のケースは口腔内に痛みが出現する前に左頚部に帯状疱疹を発症している。
帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスの一種であるため、性器ヘルペスと同様に一度でも感染すると、ウイルスは体内の背骨付近の神経節に潜む。そのため、加齢やストレス、過労、後天性免疫不全症候群で免疫力が低下した時に症状が起きるとされている。

今回のケースでは、漢方を飲むと痛みが落ち着くが、1日に何度も痛みが出てその状態が約3年続いていた。
検査では、三叉神経と密接な関係である上部頸椎と骨盤部に問題が見られた。
上部頸椎と骨盤部はどちらも副交感神経支配となる。副交感神経にサブラクセーション(神経伝達異常)があることで、交感神経が過剰に働いてしまい、自律神経のバランスの乱れにも繋がる。

アジャストメントによってサブラクセーションが取り除かれることによって口腔内の痛みも減少し、発作の頻度も減少していることから、神経の回復がスムーズに行われ、自律神経のバランスが安定することで免疫力も向上したと考えられる。

病院などで検査では異常を示さなくても身体からのシグナルとして、症状を出していることもあります。神経と脳の繋がりを正常にすることで身体の持つ治る力を最大限にすることが重要だと改めて感じた。

金城 寿生

執筆者塩川カイロプラクティック治療室金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティック治療室に入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

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