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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

全身の肌荒れが薬を使わずに治まった!

40代男性
主訴
アトピー性皮膚炎、便秘、腰痛
来院に至った経緯

子供の頃から酷い便秘があった。小学生になる頃には、5~6日に一度しか排便がなく、よく病院に行っていた記憶がある。便秘薬を飲まないと便が出なくなるが、大人になるにつれて便秘薬が次第に効かなくなってきた。

社会人になって介護職についたが、日勤と夜勤があり体力的にもかなり厳しく、一時期は歩けないほど腰を痛めてしまった。仕事中に、年に1回はぎっくり腰をやっているため、すでに20回以上ぎっくり腰をやっている。

一度、ぎっくり腰をやると2~3日は仕事ができなくなってしまうため、仕事中は基本的に腰椎コルセットをするようになったが、それでも年に一度は動けないほどのぎっくり腰をやってしまうため、週1回のマッサージやスーパー銭湯を楽しみにしていた。

職場は慢性的に人が足りなく、シフトが年々厳しくなってきた。ある時期、日勤と夜勤を日ごと交互に入らなければならない期間が続き、自分でも自覚するほど睡眠時間が極端に短くなった。

何か肌がかゆいなと思っていると、わずか1週間の間に全身にアトピー性皮膚炎が広がってしまった。子供の頃から肌は強い方ではなく、少し草花に触れるだけでかぶれてしまうこともあったが、ただ事ではないほど全身肌荒れになってしまった。

顔も真っ赤になり、背中も手足も全身にニキビのような肌荒れができた。急いで皮膚科に行って状況を説明すると、ストレスからだから仕事を休みなさいと言われた。上司に相談して仕事を1週間休んで、病院でもらった飲み薬と塗り薬を使って安静にしていたが、肌荒れはますます酷くなった。

入居者にも心配されてしまうほど肌荒れが酷くなり、結局仕事は退職することになった。なるべく人と接触しない仕事についたが、肌荒れが治ることはなく、趣味のスーパー銭湯に行くこともできなくなってしまったため、病院以外での治療法はないものかと探すことにした。

自分でいろいろと調べて自律神経の問題の可能性が高いと判断し、自律神経専門の整体院や針鍼灸院に通ってみたが、それぞれ半年間以上通ったが、体が軽くなったりはするものの肌荒れは全く変化しなかった。

そんな状態を見かねてか整体院の先生から、ここの治療院は業界でも評判だから一度相談してみたらどうかと紹介されて来院された。

初診の状態
  • 01

    隆椎付近の強い浮腫感

  • 02

    背部の過緊張

  • 03

    腰部起立筋の過緊張

経過と内容

頚部と腰部の椎間板にD5レベルと慢性的な段階が確認されたため、週3回のケアを提示したが、仕事の関係上週2回のケアからスタートすることにした。

4週目(5回目のアジャストメント)には、慢性的な腰痛はそれほど気にならなくなり、コルセット無しでも仕事ができるようになった。また顔の赤みが明らかに引いてきた。この段階でケアのペースを1週間に一度に広げることができた。

7週目(8回目のアジャストメント)には、背中を中心に正常な皮膚が少しずつ増えてきた。また便秘も酷いと1週間以上出なくなっていたものが、3日に一度は出るようになった。

10週目(11回目のアジャストメント)には、慢性的な便秘がかなり改善されて、酷いと1週間出なかったものが1~2日に一度は排便されるようになった。またこれまで背中しか変化が見られなかったアトピー性皮膚炎は、手足にも正常な皮膚が見られ始めた。

16週目(17回目のアジャストメント)には、背骨を中心として徐々に広がっていた正常な皮膚の状態の面積がかなり多くなり、肘や膝の内側など関節部の内側以外は手足も含めてかなり肌荒れの状態が落ち着いた。

現在は、ほとんどの症状が落ち着いたが、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。


考察

今回のアトピー性皮膚炎の原因は、幼少期から慢性的に続く便秘が要因となり、体に溜まった毒素を肌から一生懸命出そうとした結果ではないかと考えられる。

検査で強い反応があった腰部から出る神経は、大腸と密接な関係がある。腰部の神経に異常をきたしていた結果、大腸の蠕動運動にも支障をきたして慢性的な便秘となっていたのだろう。また年に一度は歩けないほどのぎっくり腰を20年以上も繰り返していたことをからも、腰部の神経には多大な負担が掛かっていたものと考えられる。

今回のケースでは、下部頸部、胸部、そして腰部と交感神経支配の部位ばかりに検査での反応が確認されたが、交感神経の問題は各臓器の機能低下を引き起こす要因となる。

下部頸部の問題は甲状腺の機能低下が考えられる。甲状腺は体の代謝を司る臓器で、甲状腺機能低下は代謝の低下を意味している。体全体の代謝が低下することで、体に毒素が停滞してしまうことが助長されてしまった可能性もある。

胸部の問題は肝臓や副腎などの機能低下が考えられる。肝臓は体内の毒素を解毒する役割がある臓器である。副腎は体内の毒素を排毒する役割がある臓器である。解毒や排毒機能が低下することで、体に毒素が停滞してしまうことが助長されてしまった可能性もある。

偏った神経系への負担から、自律神経のバランスが乱れ、腸の蠕動運動に異常をきたしての慢性的な便秘や、代謝・解毒・排毒を促す臓器の機能低下などアトピー性皮膚炎と関連しそうな問題個所がいくつも確認された。

問題となっている椎骨一つを特定する検査が何よりも重要であり、神経の流れを整えて体の情報を脳へ届けることの重要性が分かる症例である。

前田 一真

執筆者前田カイロプラクティック藤沢院前田 一真

1982年、神奈川県生まれ。シオカワスクール在学中から塩川カイロプラクティック治療室にて内弟子として学ぶ。塩川満章D.C.と塩川雅士D.C.に師事し、副院長まで務める。2023年に前田カイロプラクティック藤沢院を開院。一人でも多くの人にカイロプラクティックの持つ無限の価値を知っていただくため、カイロプラクターとして尽力している。またシオカワスクールでは現役講師を務めており、後任の育成にも力を入れている。

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