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アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎

睡眠時にも身体の痒みで眠れない!

20代女性
主訴
アトピー性皮膚炎、肩こり、腰痛
来院に至った経緯

小中高生は、県大会に行くくらいバレーボールの強豪校に所属していたため、毎日練習がハードであった。そのため、15歳の時に腰のヘルニア、18歳の時に首のヘルニアと病院で診断された。

5年前からエステティシャンのお仕事をしていて、12時間くらいずっと腰が曲がった状態で仕事をしている。そのため、4~5日に1回は整体で体のメンテナンスを行ってきたが、完治に至らず。

ちょうど2年前に東京に上京したことによって生活環境が変わり昔から患っていたアトピーが悪化してしまった。最近では、全身の皮膚の炎症が目立ちかゆみも悪化してきている。睡眠時にも身体の痒みで眠れなく、疲労も溜まり肩こりと腰痛も再発するようになり、友人の紹介で来院する。

初診の状態
  • 01

    下部頸椎の筋硬直

  • 02

    頭部の前傾姿勢

  • 03

    骨盤部の筋緊張と可動域制限

経過と内容

レントゲンの評価は、腰椎5番目の椎間板の状態はD3で、後方の椎間板のスペースが狭くなっているのを確認した。上部頸椎にも傾きを確認できたので、初期集中期(来院から1ヶ月)は週2回のケアを提案した。

問診と検査から骨盤と上部頸椎のアジャストメントを行った。来院された当日はまだ仕事が残っていたが、憩中に少し横になっても眠れるようになった。ケアを始めて3日後(2回目のアジャスト)には、前回よりも少し緊張がなくなった。 2ヶ月目後には、週1回のアジャストを計画した。

仕事終わりには、首と腰に疲労感が残るも、寝ると違和感も消え支障がなくなっていた。この頃からアトピーの皮膚炎も少しずつ改善してきた。ケアを始めて3ヶ月後(13回目のアジャスト)には、腰や首周りに違和感なども出なくなり、日常生活で痛みを感じることは無くなっていた。 アトピーで荒れていた皮膚も落ち着いて徐々に良い方向へ向かった。


考察

アトピーが悪化した原因は、仕事や普段の生活で背部の筋肉が硬直し、身体が緊張して休めずにいる状態が続き、自律神経が異常に働き過ぎと考えられる。レントゲン評価から、腰椎5番目の椎間板レベルがD3でこれは、最低でも2~5年くらい前から腰に負荷がかかり続け、神経伝達を阻害するサブラクセーションが確認された。

この神経伝達の阻害する状態は、脳が身体を把握することができなくなっている。そして、内臓機能への影響にもつながり、ホルモン分泌異常から皮膚への過剰な自己免疫反応を起こしたと考えられる。

皮膚からくる直接的な問題ではなく、腰や首への負担が長時間かかり続けたことにより、代償として交感神経が優位に働き続けていた。交感神経が過剰になると白血球の顆粒球が増加します。 顆粒球には、細菌を退治してくれる働きがあります。しかし過剰に交感神経が優位になると、細菌を退治に必要な活性酸素が増加します。その結果、皮膚の乾燥や傷口が治りにくい、皮膚の炎症などの原因に繋がります。

このようにアトピー性皮膚炎は自律神経のバランスの乱れから発症していることになります。 自律神経のバランスが正常であれば、過剰にアレルギー反応が起こることはありません。ストレスにも対応できますし、体に溜まった毒素を排毒することが可能になります。

今回のケースでは内分泌の異常が、肌から過剰な毒素排出といった反応が起こり皮膚に炎症を起こす原因となっていた。副交感神経をアジャストすることで交感神経を落ち着かせ、皮膚の状態が安定し、回復に向かったと考えられる。

塩川 雅士D.C.

執筆者塩川カイロプラクティック治療室塩川 雅士D.C.

1980年、東京都生まれ。17才で渡米後、2004年パーマーカイロプラクティック大学を優等で卒業。D.C.の称号取得。米国ナショナルボード合格。日本カイロプラクティックリサーチ協会(JCRA)役員。2005年からカイロプラクターを育成する学校の運営と講師に携わり、現在、年間約300時間の講義やセミナーなどの活動を全国で精力的に行っている。

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