
根本原因を解消して、りんご狩りにも行けた症例
おととしの12月中旬に突然右腰に痛みを感じた。その後、時間をかけて徐々に症状は落ち着いたものの、3か月後の3月3日、劇場で舞台を観戦した際に再び同じ部位に痛みが発生した。その3日後には、両側の坐骨神経痛と両手のしびれが出現。特に坐骨神経痛は右側よりも左側が強く、ズキズキとした痛みが続いていた。また、両手のしびれのうち、左手は特にピリピリとした感覚が強く、不快感が増していた。
同時期にめまいや頭痛も発症している。めまいは疲れてくると周囲がグルグルと回るような感覚に襲われることがあった。頭痛はこの頃には1日2回ほど起こり、天候によって悪化する傾向があった。めまいや頭痛は特に午後に多く、頭の位置を変えた際に誘発されるわけではなく、不特定のタイミングで突然発生することが特徴的だった。
症状が重なったため、整形外科を受診し、レントゲン検査を実施。結果、「椎間板が少しは残っているが、薄くなっている」と指摘された。湿布や痛み止めが処方され、服用を続けたが、症状の改善は見られなかった。
めまいが特につらく、インターネットで「自律神経の調整がめまいに効果的」という情報を目にしたことをきっかけに、鍼灸院に通院。施術を受けることで腰や首の張り感は軽減したものの、坐骨神経痛やめまいは改善せず、症状が続いていた。そのため、再度脳神経外科を受診し、診察と検査を受けたところ、「背中の張りがさまざまな症状の原因になっている可能性がある」との診断を受けた。
さらに、症状が続いたことで最近では不眠に悩まされるようになり、すっきり眠れない日々が続いている。夜中に目が覚めることはないものの、朝早く目が覚めてしまうことが多く、十分な睡眠を取ったつもりでも頭がさえない状態が続いていた。これらの症状が重なったことで、旅行や日常の活動が困難になり、根本的な改善を求めて当院を受診した。
腰殿部の筋の筋緊張
右耳介上方
右頸部胸鎖乳突筋の筋緊張
頭部前方位
初診時の視診では、頭部前方変位と右耳介上方変位が確認された。体表温度検査では、S2、C5、C1に異常反応が見られ、左右の温度の誤差が確認された。静的触診では、右アトラス(C1)横突起に浮腫、右頸部胸鎖乳突筋の筋緊張、腰部起立筋の筋緊張が認められた。動的触診では、右仙腸関節の可動制限とC5、C1の可動制限が見られた。初回はC5とC1で迷ったが、骨盤のアジャストメント後にC5のブレイクに変化があったことと、症状を考慮し、C1を選択した。アジャストメント後は首の軽さを感じたとの事。
4回目のアジャストメント
右腕のピリピリとしたしびれが軽減し、楽になってきた。また、睡眠時間が徐々に伸びる傾向がみられた。ただし、旅行中に坐骨神経痛が再発するのではないかという不安が残る。
11回目のアジャストメント
腰痛は依然として残るが、楽な時間が増えてきた。アジャストメント後には症状が軽減するものの、2〜3日前から左腰痛が出現。
16回目のアジャストメント
頭痛がかなり治まり、症状が安定してきた。状態の良い期間が続いており、日常生活における負担が軽減されつつある。来院の2日前に、ご主人と長野県へりんご狩りの旅行に行くことができ、「旅行に行けて良かった」と心から喜んでいただけた。
執筆者OKA接骨院・鍼灸院・カイロプラクティック岡芹 侑哉
1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。