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ぎっくり腰

ぎっくり腰

繰り返すぎっくり腰に悩んでいた

50代女性
主訴
ぎっくり腰
来院に至った経緯

ぎっくり腰を過去に数回経験しており、腰痛で悩むことはが多い。介護の仕事をしているが、中腰の作業や利用者様の移乗介助で腰にはかなりの負担がかかっており、それが原因だと自覚している。特に閉経後から症状が強くなっている気がしている。症状としては腰だけでなく、両側の臀部にかけても痛みがある。痛みとしてはなんとなくだるい感じがするという。仕事をしてくると腰にだるいような疲労を感じ、特に夜勤明けは寝ていても疲れが抜けない。また、寝るときになると痛みで眠れないときもある。眠りは全体には浅い方である。腰痛は特に朝に強くなり、夕方にかけて段々と落ち着いてくる。時々、左足にしびれがある。病院で診察を受けたところ、腰の関節の「関節炎」と診断された。腰椎4番と5番の間が狭くなっていて、ヘルニアの初期段階ではないかと説明されている。また、副症状としては目にも疲れを感じる。高血圧症の既往があるが、現在は薬を服用していても、140/90mmHgが平常である。

最近姿勢も悪くなったように感じ、腰痛や姿勢を改善したいと考えていたところ、インターネットでカイロプラクティックに行きついた。あちこちの関節も痛んでいるので、興味が沸き、近くに同じような治療院がないか探していたところ、当院を見つけ、ご来院の運びとなった。

初診の状態
  • 01

    腰仙関節の可動域制限

  • 02

    腰部の起立筋の過緊張

  • 03

    頸部の起立筋の過緊張

経過と内容

問診や検査に加え、主訴であるぎっくり腰の症状を考慮し、初めに交感神経サブラクセーションの部位から、週2回のアジャストメントから開始することにした。初回のアジャストメントによって腰は少し動きが良いように感じる。また、アジャストメント後から目の疲れも良いように感じる。炎症の状態が強かったため、アイシングをアドバイスした。

3週目(4回目のアジャストメント)には、動きが改善している。特に伸展時の腰痛が軽減したことで、腰部の可動域が広がった。痛みの部位も腰や臀部全体にあったものが、腰仙関節付近に集中しており、検査からも浮腫感や体表温度検査の結果も改善していた。客観的にも炎症が引けていることが確認できた。

9週目(10回目のアジャストメント)には、疼痛が気にならなくなり、眠る時間が増えてきたとの事。また、夜勤明けで疲れていても、腰痛を引きずらなくなってきた。仕事から帰ると家事にも手がつかず、休まないと動けなかったが、そのまま動けるようになってきているというご報告を頂いた。左足の痺れも出ていない。

17週目(15回目のアジャストメント)には、仕事で疲れはするものの、以前のような腰痛はほとんど気にならなくなってきた。ぎっくり腰のような痛みもなく、ぎっくり腰を発症しそうな感じもない。腰仙関節の状態が落ち着いてきたため、この頃から右の仙腸関節のアジャストメントに変更した。現在は、身体のメンテナンスとして定期的なカイロプラクティックケアを続けている。


考察

今回のぎっくり腰を繰り返すのは、筋骨格系の影響だけでなく、自律神経の影響も考えられる。腰椎のバランスの乱れから腰の関節(腰仙関節)に負担がかかっていたものと考えられる。腰椎の問題(特に腰椎5番)は寝ている間に椎間板が膨張することで疼痛が悪化という特徴がある。今回の場合も、夜勤明け、つまり朝に寝る時になると痛みが増加したため、腰椎5番が問題である可能性が高いと判断した。

また、検査では交感神経支配である下部頸椎と下部腰椎の反応が強く見られた。この状態では交感神経の機能が低下し、副交感神経が過剰に働いてしまう。今回のような交感神経に問題があるケースの場合、鈍痛(Dull Pain)や遅い痛み(Slow Pain)を感じやすい。さらに交感神経の問題では「筋の麻痺やしびれや低下」といった症状が見られる。左足のしびれは交感神経の問題に含まれる。交感神経が落ち着いたことに伴って、しびれも改善していったのだろう。

また、目の疲れは交感神経の問題で起こりやすい。なぜなら交感神経に問題がある場合、臓器の機能低下が見られるため、目の機能も落ちていたものと考えられる。

初期集中期には交感神経サブラクセーションへのアプローチを絞って行ったことで、副交感神経が刺激され神経がバランスをとれたことで、繰り返すぎっくり腰やしびれの改善に繋がったと考えられる。自律神経を分けて調整することで早期回復に寄与することが出来た。

岡芹 侑哉

執筆者OKA接骨院・鍼灸院・整体院岡芹 侑哉

1993年、埼玉県出身。柔道整復師・鍼灸師の免許取得。接骨院・鍼灸院・整形外科の研修後、接骨院を開業。塩川スクールにてトムソン教室、クレニオセラピー、上部頸椎ボディドロップターグルリコイル、Gonstead seminar修了。現在、塩川スクールの検査のインストラクターとしてカイロプラクターの育成に携わる。

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