シオカワグループ シオカワグループ

顎関節症

顎関節症

顎関節症

30代男性
主訴
顎関節症
来院に至った経緯

約15年前の学生時代から、長時間の勉強による影響で首や肩のこりを感じることが多かった。特に机に向かって座り続けると、首や肩が次第にこわばり、それに伴って頭痛が生じることがあった。また、こりや頭痛の影響か、ぼーっとしてしまうこともあり、集中力が続かず勉強に支障をきたすことがしばしばあった。こうした症状はその後も続き、学生時代を通じて慢性的なものとなっていた。

就職後はSE(システムエンジニア)としての仕事に従事するようになり、さらに座っている時間が長くなった。デスクワーク中心の業務が続くことで、背中が丸まり、姿勢が悪くなっている感覚を自覚するようになったが、仕事に追われる日々の中で特に対策を取ることはなかった。首や肩のこりも相変わらず続いていたものの、仕事をこなすことを優先し、気になりながらもそのまま過ごしていた。

しかし、1か月前から仕事の忙しさが一段と増し、残業が続くようになると、首の動かしづらさを強く感じるようになった。それと同時に、口を大きく開けると左顎に痛みが走るようになった。初めのうちは違和感程度であったが、次第に症状が悪化し、ハンバーガーやパンなどを食べようとしても、左顎の痛みが強く口を開けられず、思うように食事ができなくなってしまった。

その後、さらに症状が進行し、右を向くと首に鋭い痛みを感じるようになり、背中全体に強い張り感が出るようになった。加えて、日中の頭痛も悪化し、仕事中の集中力が一層低下するようになった。症状がここまでひどくなると、もはや仕事だけでなく日常生活にも支障をきたすようになり、何か根本的な解決策を見つけなければならないと考えるようになった。

そこで、インターネットやYouTubeで首・肩のこりや顎の痛みに関する情報を検索する中で、カイロプラクティックの治療が有効である可能性を知った。そして、当院の施術が身体の根本的なバランスを整え、症状の改善を目指すものであると理解し、「ここでなら原因をしっかりと見極め、根本から改善できるのではないか」と考え、来院を決意した。

初診の状態
  • 01

    頚部から両肩の筋緊張

  • 02

    後頭下の可動制限

  • 03

    咬筋の筋緊張

経過と内容

腰部椎間板の状態がD4(5~10年経過)、頚部椎間板の状態がD3(2~5年経過)と慢性化している点、顎関節開口障害が出ている点、頭痛が悪化してきていることから週2回のケアが考えられたが、仕事の都合も考慮し週1回のケアからスタートしました。右仙腸関節、C1と副交感神経サブラクセーションからアプローチを絞ってケアを始める。
初診から2週後に来院(2回目のアジャストメント)。仕事と連休が重なり、2週後の来院となってしまった。前回後、頭のボーっとした重さと背中の張り感は軽減した。骨盤のアジャストメント後に後頭下の緊張軽減が見られた。左顎は最大限開けると痛いのは変化なし。
初診から約1ヶ月後(4回目のアジャストメント)。開口時の左顎の痛みが無くなってきた。開口時の違和感は残っている。頭痛と頭のボーっとした感覚は無く、調子が良いとのこと。可動性も向上し、体表温度の誤差も落ち着いてきたので、通院間隔を空けて経過を確認していく。
初診から約2ヶ月後(7回目のアジャストメント)。首と肩の張り感が軽減し、テリヤキマックバーガーも問題なく食べることが出来たとのこと。
初診から約3ヶ月後(9回目のアジャストメント)。状態良好で、コロッケパンも問題なく食べることが出来た。日常生活に支障が無くなってきたので、健康維持の目的で、月に1回のメンテナンスに移行しました。


考察

顎関節の特徴として、顎関節の関節を形成している骨が下顎骨と側頭骨という頭蓋骨の一部であって、その頭蓋骨は頚椎に支えられているということです。開口時には顎関節とともに、後頭骨と第一頚椎の関節の可動も関係してきます。
患者様のヒヤリングから来院の1か月前から仕事が多忙になり、肉体的にも精神的にも負担が増加していたようです。
今回のケースでは、副交感神経のサブラクセーションによる機能低下となり、交感神経優位による日中の頭痛や頚肩部の過緊張と顎関節の関節機能障害が考えられた。
また、骨盤のアジャストメント後に後頭下の緊張軽減から、土台の不安定性が頚部にも影響し頚肩部の過緊張に作用していたと思われる。
また、顎関節の開口障害と左顎に痛みがありますが、顎関節の顕著な左右差が見られなかったため、環椎後頭関節や交感神経優位による頚肩部、咬筋の過緊張で顎関節の機能障害が考えられた。
そのため、副交感神経領域の上部頚椎と骨盤部にアプローチを絞ってケアを開始した。
ケアを開始して1か月後から、副交感神経機能改善により、緊張の緩和から左顎の痛みが改善に繋がったと考えられる。また、2か月後には、環椎後頭関節の機能改善から運動神経も正常に伝達され、開口障害も改善に至ったと考えられます。
神経伝達が正常に伝達できなくなることにより、運動障害や自律神経の調整が正しく出来なくなり、身体の緊張が抜けないことで食いしばりや歯軋りの原因にもなります。マウスピース以外に神経が正常に伝達出来ているかチェックすることも大事になってきます。

金城 寿生

執筆者塩川カイロプラクティック治療室金城 寿生

1989年、沖縄県生まれ。柔道整復師の免許取得後に上京。接骨院やクリニック勤務を経験。2022年東京カレッジ・オブ・カイロプラクティック(旧豪州ロイヤルメルボルン工科大学 日本校)卒業。塩川スクールにてGonstead seminar修了。研修を経て塩川カイロプラクティック治療室に入社。勤務しながら、インストラクターとしてカイロプラクター育成に携わっている。

pagetop