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台風にともない必ず発生する頭痛、気象病

台風にともない必ず発生する頭痛、気象病

”雨の日も台風の日でさえ頭痛はもう出なくなりました!”

50代女性
主訴
気象病(低気圧に伴う頭痛や倦怠感)、腰痛、ストレートネック
来院に至った経緯

雨が降る前や台風が近づくと、決まって頭痛が起こる。ひどい時には天気予報よりも早く気圧の変化を感じ取り、「また天気が崩れるのか…」と憂鬱になるほどだった。最初は「少し重いな」と感じる程度だったが、次第に後頭部を締め付けるような強烈な痛みに変わり、ひどい日は仕事や家事に手がつかなくなるほど辛くなった。特に台風の時は、頭痛だけでなく左肩にまで痛みが広がり、肩の筋肉がパンパンに張るような感覚があった。この状態が当たり前になりつつあり、「これはもう体質だから仕方ないのかもしれない」と半ば諦めかけていた。

さらに、腰の重さや首の凝りも慢性的に感じるようになっていた。デスクワークや長時間の同じ姿勢が続くと、首が固まり、次第に頭がボーっとするような感覚に襲われることもあった。肩を回したり、ストレッチをしてみても、一時的に楽になるだけで根本的な改善には至らず、悶々とした日々を過ごしていた。

何か対策はないかと整体に通ったこともあったが、期待したほどの効果は感じられなかった。それどころか、施術の際に肩を強く押され、痛みが増してしまったこともあった。その経験から、「整体は合わないのかもしれない」「また痛めるくらいなら、もう何もしない方がいいのでは…」と、施術そのものへの恐怖感が生まれてしまった。しかし、このまま何もしなければ、症状は悪化する一方なのではないかという不安もあった。

どうにか解決できる方法はないかと、諦めかけながらもネットで情報を探し続けていたところ、「気象病にはカイロプラクティックが有効かもしれない」という記事を見つける。その流れで当院の存在を知り、施術の特徴や実績を調べるうちに、「ここなら何か違うかもしれない」という期待が芽生えた。整体への恐怖心はまだあったものの、それよりもこの頭痛から解放されたいという思いが強くなり、意を決して来院を決意した。

初診の状態
  • 01

    左肩周囲の痛み

  • 02

    後頭部、側頭部に強い頭痛を感じている

  • 03

    仙骨周囲のブヨブヨろとした浮腫

  • 04

    右の胸鎖乳突筋の過度な緊張

経過と内容

頚椎、腰椎共にレントゲン側面像を確認するとD3の慢性度合いが確認できるため初期集中期として、1ヶ月間は週2,最低でも週1回でのご来院を推奨した。お仕事の都合が合う際は、1回。来られる際には2回お越しいただいた。

2週目(2回目のアジャストメント)の際には、頭痛が起こるような気象の異常はないため、頭痛もきていない。その他の変化としては、左肩の痛みが減っていた。可動域に関しては問題なし。

3週目(3回目のアジャストメント)の際には、来院前に大雨が降っていた。ただ、それに伴った頭痛はなく安堵した。右の胸鎖乳突筋の緊張はまだ残っている。

6週目(4回目のアジャストメント)の際には、頭痛の頻度はかなり減少しており、雷や大雨の天気を経過しても頭痛は発生しなかった。

7週目(5回目のアジャストメント)の際には、ゲリラ豪雨の際には頭痛は出ない。眠気がよく出るようになったとのこと。

28週目(11回目のアジャストメント)の際には、頭痛は特段起こっておらず、メンテナンスとして来院されている


考察

今回の患者様の場合、サブラクセーション(神経の圧迫)によって、自律神経の乱れが発生し、天候に左右される頭痛も発生したと考えられます。

天気が崩れて(台風、雨、曇りなど)気圧の変動が起こると、自律神経に影響を与えます。 高気圧(天気が良好)の時は交感神経が優位になり、低気圧の時には副交感神が優位になりやすくなるなど、自律神経は天候に順応するようになっています。 副交感神経が過剰になると血管が拡張し、血圧が低下するため血流が停滞、うっ血した状態を作ります。 低気圧になると交感神経が優位になり、血管が収縮し、血行不良が起こったりもしてしまいます。その状態が続くことで有害物質が停滞し、頭痛を誘発することとなってしまうのです。他にも、副交感神経が過剰になると、プロスタグランジンという物質が過剰に分泌されます。 プロスタグランジンは、人間の体内の様々な組織や器官に存在し、ホルモンに似た働きをする物質で血管を広げ神経を過敏にして痛みを起こさせてしまうさようがあります。 その結果として、天候の崩れる前日や当日に頭痛が出る原因となりえるのです。

またこの患者様の頭痛の位置を見ると、側頭部のこめかみ、頭の付け根の後ろなどが特徴としてあります。これは交感神経が過剰になると、血管は収縮し血流障害を起こすことによると出てくる頭痛の兆候でもあるのです。

今回は、骨盤や第一頚椎の副交感神経領域の神経圧迫によって、自律神経の乱れが発生し、頭痛を引き起こしてしまったと考えました。

気圧のことを第一に考えると、交感神経領域の問題であり、頭痛の位置の特徴を考えると副交感神経領域の問題であり、アプローチの方針を迷ってしまうような例であります。ですが、神経圧迫の位置や強さ、触診などから副交感神経領域にまず絞っていく方針としました。その後、体表温度のパターンを分析するとの化は良好で、症状も緩和されていったうえに、神経圧迫も以前よりも落ち着いていきました。また頸部の筋緊張や浮腫感も軽減されていることから、副交感神経領域に絞って間違いがなかった例であります。

セオリーで考えれば、交感神経領域にしぼってアプローチを進めるべきでありますが、患者様の変化をしっかりと吟味し考察していくことで、余計なアジャストメントは避けて、刺激量を少なく、安全に進行していくことができた良い例でありました。

 

関野 貴友

執筆者塩川カイロプラクティック治療室関野 貴友

1999年、大阪府生まれ。19才より東海大学トレーナー専攻及び東京衛生専門学校のダブルスクールを行い、共に優等で卒業。鍼灸あん摩マッサージ指圧師を取得。のちに睡眠専門治療室NEOCHIを開業。2023年よりシオカワスクールのインストラクターを務め後進の育成にも力を入れている。

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