自然治癒力の力
私は人間の寿命の限界である130歳を超えることができる時代は必ず訪れることを信じている。その時には予防医学としてのカイロプラクティックが見直されることだろう。
トーマス・エジソンが述べている「将来の医学は骨組みを治し病気の予防をすることである」という言葉はまさしく私たち人間が最も注目しなければならないことである。
ニューヨークの国立癌センターの所長をしていたドクターペローは次のように述べている。「定期的にカイロプラクティックの治療を受けている人はまったく受けていない人より200%の免疫力がある」。
また、チェコスロバキヤ時代の放射線学会会長のドクターユロートは次のように述べている。「多くのカイロプラクターが自分の専門である脊椎サブラクセイションの矯正のみ行うならばカイロプラクティックはすばらしいものになるだろう」。
人間の骨の構造は横から見て4つのカーブから成り立っている。この4つのカーブは頚椎で半径17cmの前湾、そして胸椎は後湾し、腰椎では半径19cmの前湾、さらに仙骨では後湾となり、人間が立位で生活する上で最もショックを吸収できる構造となっている。各関節はクッションの役目をし、正常な可動域をもって椎間板に栄養分を補給して骨の構造を保っている。
しかしながら、人間は日常生活で無理な姿勢での仕事、過度なスポーツ、あるいは外傷などによって正常な骨の構造を維持できなくなり補正作用によっていろいろな形になる。しかも椎間板の中には多くの窒素化合物が蓄積し、骨の可動域に異常が発生して骨の固定化が起こる。骨の磨耗、カルシウム・窒素化合物の蓄積などが起こり、関節の中に豊富に存在している感覚受容器などが異常を起こす。
そうすると、脳から発せられた治る力が低下し、病気と戦う力の低下はもちろんのこと、環境に適応する力さえも失ってしまい、自律神経失調症にもなってしまう。
人間は私たちが想像する以上に偉大な力を持っている。
私たちは一度に10,000のことができる。
寒くなると毛穴を閉じ、暑くなると毛穴を広げて環境に適応している。指を切って出血しても白血球の中の好中球が働き出血を止め、細菌が進入してもリンパ球が瞬時に活動して私たちの意思に関係なく自分の利益のために1日24時間働いている。脳は睡眠という行動で休むことができるが、自然治癒力はまったく休むことはしない。
私たちは、人間の内に秘めた自然治癒力の力をもっと理解しなければならない。この自然治癒力とともに働いているのがカイロプラクティックであり、予防医学として多くの人が利用することを期待している。