藤田田さんは、日本にマクドナルドを持ってきた人である。ある日の昼に、銀座にあるとんかつ屋で私の斜め前で秘書の方と食事を取られていた。すると、翌日にある人の紹介で私の治療室に来られた。会社が私の治療室の近くにあったせいか、その後頻繁に通われた。

ある日、私が田さんの会社に行くと、中央通りを指してどちら側が人通りが多いですかと質問された。私が左側ですと答えたら、そうです、私はあの左側にマクドナルドの1号店を作りましたと話された。

藤田田さんといえばマクドナルドの創始者で有名であるが、そればかりではなく、その他に色々なことをやられていた。トイザらスを設立したり、ヨーロッパからバッグを輸入したり、今のツタヤのようなレンタルビデオ店などを経営したりしていた。仕事が好きで78歳の時にまた新しい事業をしたいと言っておられた。

会社が私の治療室から近かったために良く来られた。ソフトバンクの孫さんのことやアメリカのロックフェラー家に招待されて自宅の庭のゴルフ場でゴルフをした時に土を削ってしまい、自分で直そうとしたら、ミスター田、何もしないでください、召使の仕事がなくなりますからと言われたことなど多くの経験を話してくださった。

ドトールコーヒーの創業者の鳥羽博道名誉会長が、私の治療院に施術を受けにこられている。鳥羽会長はオーストラリアのゴールドコーストで開業しているカイロプラクターから私のことを紹介され、治療院にこられたそうである。

鳥羽会長が初めて来院される日の午前中に、建築家の石川正和さんが来院された。石川さんは、鳥羽会長の紹介でこられたとのことだったが、私はまだその時、鳥羽会長とは面識が無かったので、不思議に思った。

その日の午後には、鳥羽会長が来院された。聞くところによると、鳥羽会長は20歳の時にアルゼンチン丸でブラジルに移住し、コーヒー農園で3年間働き、その後帰国し、ドトールコーヒーを設立されたそうである。今日のドトールコーヒーを作り上げるために、おそらく死ぬ思いで働いてこられたことだろう。

現在では、ハワイ島に30万坪の広大なコーヒー農園を所有されているそうである。さらに、銀座に10階建てのビルを所有し、その9階に豪華なセミナー会場を作り、無料で提供されている。

鳥羽会長のご好意で、この会場を私たちに提供していただき、5月28日に講演会を開催することとなった。講演会では、銀座でオバセラ（オーラルバランシングセラピー）療法を行なっている西山先生が独自の顎関節症の矯正法について、ドクター・アーリング・ペダーソンがショックウェーブ療法について、私がカイロプラクティック哲学についてお話させていただいた。

出席者は、政治家、銀行家、伊勢ヶ濱親方（元横綱・旭富士）、弁護士の野辺寛太郎先生など多くの著名な方々が来てくださった。鳥羽会長も熱心に講演を聞いてくださり、とても有意義な講演会になった。

人間がいかに教育された頭脳で作った薬も、人間の中に存在する持って生まれた治癒力にはかなわないことや、バランスの取れた正常な顎関節が人間に健康をもたらすこと、ショックウェーブ療法によって人間の細胞レベルでの健康を得ることができることがわかった。特に前立腺肥大症で悩んでいる人たちが、ショックウェーブ療法で正常になることが分かったことは驚くべきことである。日本に近い将来、このショックウェーブ療法とカイロプラクティック、オバセラ療法を一緒にできるクリニックが設立されることを期待したい。

マカオではすでにドクター・サミーのカイロプラクティッククリニックに、このショックウェーブの機械が導入され、ドクター・ペダーソンが治療を行い、大きな成果を収めている。

鳥羽会長から私のオフィスを紹介された石川正和さんは、ドトールコーヒーの一号店をデザインした建築家である。石川さんは現在80歳であるが、またダンスが踊れるようにとカイロプラクティックの治療を定期的に受けている。今はスペイン語で歌も習っている。とても80歳とは思えないぐらい若々しい人である。服装もモダンで、ヨーロッパで購入した帽子をかぶり、私とよく遊びに行く。

私が80歳の時に、果たして石川さんみたいに若いエネルギーを持つことができるかは分からないが、私も努力したいと思っている。石川さんは私に、自分がまだ4回目の成人式を上げたばかりです、と言われたので、私も3回目の成人式を挙げて、まだ3年目ですと返事をしたことがある。

若さを保つ秘訣は何かに没頭することではないか、と最近は思うようになった。人間の寿命が120歳であるならば、まだ私は人生の半分を通過したに過ぎない。

石川さんに出会って私の人生に対する楽しみ方も変わってしまった。六本木のフラメンコ、四谷のカントリーウエスタン、銀座のピアノのあるカラオケなどを紹介してもらって、一緒に行った。

私が紹介できるのは、おいしいレストランだけであるので遊びの幅が広がった感じである。とにかく何歳であろうと常に何かに没頭し、夢を描き続けることが長生きの秘訣である。なおかつカイロプラクティックの矯正で常に100％の治癒力が働くように心がけることによって、人生を最大に楽しむことができる。