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再びアメリカへ

私は、ベネズエラを後にして再度母校のパーマー大学に寄る事にした。ちょうど卒後教育でドクター・クレイ・トムソンによる少人数のセミナーがあることを聞き、受ける事にした。今までガンステッド・テクニック以外のテクニックのセミナーは受けた事が無く、どのようなテクニックか、とても興味があった。

それはニュートンの慣性の法則を利用してテーブルがドロップする事によって、第二の力が働き、脊椎が矯正されるという理論から成り立っていた。私はこのテクニックに感銘し、ドクター・トムソンに是非日本でセミナーを開かせてくださいと頼んだところ、快く承諾してもらえた。

その後、ドクター・トムソンは20数回も来日し、多くの有名な先生方(ドクター・ディジョネット、ドクター・マートン・ガンステッド、ドクター・ウォルター・ピアーズ、ドクター・エアハート、ドクター・ファイファーなど)を紹介してくださった。

その後、ガンステッド・テクニックを基礎として多くのテクニックを学ぶ事になった。そして結論は27個の脊椎から1~3個のサブラクセイションを見つけ、患者の症状に応じた矯正を行う事によって、人間は自分の力でいろいろな症状を取り除ける事が分かった。

しかも、カイロプラクティックには哲学が必要な事を、ドクター・トムソンを通じて知ったのは、私のカイロプラクティックの人生で大きな宝となり、かつ私の精神的な力になった。

「カイロプラクティックは100%正しいが、カイロプラクターは100%正しいとは限らない。どうしても患者に改善が見られなかった時には、カイロプラクティックを疑うのではなくて、自分の技術やサブラクセイションの決定を疑うべきである。」と言ったドクター・クリアランス・ガンステッドもまた私の精神的な師である。

しかし、ドクター・クレイ・トムソンを通して、BJ哲学を知った事は私のカイロプラクティックの人生の中で最も影響を受けたものになった。

▲セミナーで実技を行うドクター・トムソン

▲ドクター・トムソンに日本でのセミナーの交渉を行う塩川満章D.C.

ここでB.J.パーマーが確立したカイロプラクティック哲学について述べたいと思う。

人間は、精子と卵子が結合し、280日かかり、新しい生命として誕生する。その時に先天性知能と呼ばれるものが同時に誕生し、この知能によって人間の形が形成され、かつ必要な臓器、内分泌器官、手、足、頭、顔、大脳などが作られて、ある形になると成長がストップし、完璧な人間が作られる。

この作る力と共に人間が持っているものが先天性治癒力である。

すなわち作る力も治す力もまったく同じところから来ているわけである。そしてこれらの2つの力は、精子と卵子が結合した時に、備わっている偉大な力である。この偉大な力を、イネイト・インテリジェンスと言う。

この力は脳幹のどこかに存在しているが、見ることも触ることもできない。ほとんどの人間は健康、病気に関わらず、皆すべて平等に持っている。その力は常に100%であり、その力が100%働いていれば、決して病気になることはない。

人間の大脳は、先天的な脳と、後天的に教育された脳の2つから成り立っている。私たちが、自分で考え、過去のデータを記憶し、決断し、行動することができるのは、この教育された脳の力による。

しかし、いくら教育された脳で考えても、先天的な脳の力には勝つことができない。教育された脳で考えた行動は、時には間違いを起こすからである。脳で考えたことは必ず脳幹の中のイネイト・インテリジェンスを介して全身の神経組織に伝達されて、組織細胞等に伝わる。食事の栄養素も神経組織を介して、必要に応じてそれぞれの内臓、器官等に運ばれる。それらの食べ物の中に毒素があれば、下痢や嘔吐という行為でそれらの毒素を体外に出す。

指を切っても、すぐに血液凝固物質を送り、出血を止めるだけではなく、切り口を綺麗な皮膚にしてしまう。これらの行為が目に見えるところの皮膚だけではなく、目に見えないところの体内でも行われているわけである。

イネイト・インテリジェンスには、神経組織を介して身体に何が起こっているかという情報が絶えず入ってくるようになっているわけである。そのために、それらの情報が間違ったものであったり、十分な情報が入ってこなかったりすると、自分の体を自分で修理することができなくなってしまう。

私たち人間は目に見えるところでの変化は信じることはできる。しかし、目に見えない体の中で起こっていることはなかなか信じられない。脊椎複合サブラクセイションによる障害は、後者の目に見えない体内で起こる。私たちは通常食べたものを消化し、そこから生じる栄養分はそれぞれ必要なところに運ばれる。

もし、脊椎複合サブラクセイションがあると、いくら栄養のあるものを食べても、栄養分は必要なところに運ばれず、栄養不足になってしまう。細菌やウィルスが体内に侵入すると、通常それらと戦い、熱が出て、最近やウィルスを消滅させる。

しかし、脊椎複合サブラクセイションがあると、それらの自然治癒力の低下により、反対に細菌やウィルスが勝ってしまい、病気になってしまう。このように脊椎複合サブラクセイションがあれば、人間は病気となってしまう。つまり、脊椎複合サブラクセイションを無くすことこそ、病気の予防となるのである。

これにより、私たちが心配なく人生を健康で送れるのである。

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