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パリにて

今年の5月10日から16日までパリに行っていた。

パリにはパーマー大学で学んだ時の同級生たちがいるので、久しぶりの再会を楽しみにしていた。リチャードは私たちが泊まるパークハイヤットホテルから歩いて約10分のところで開業している。ダニエルはオペラ座を中心とすると南側へ車で約10分のところで開業している。

私はまずリチャードの治療室に行くことにした。リチャードはグッドハートテクニックを専門にして栄養素の過不足などについて筋肉テストを使って患者を診ていた。治療費は60ユーロだから約1万円である。

一方のダニエルは100ユーロ、約1万6千円だから日本に比べてとても高い治療費を取っていた。ダニエルの治療室はフランスの有名な女優のカトリーヌ・ドヌーブの住んでいるマンションの中にある。ヨーロッパの大富豪になった武器商人であるカショギの主治医である関係でヨーロッパのセレブの患者が彼の元を訪れている。

私はダニエルと夕食時間を利用しては彼のオフィスの近くにある小さなフランス料理店に行った。夜になると一緒に来た私の顧問弁護士の野辺先生やフランスのエスモード学院の校長であるニノさん、シンガポールで成功した塩谷さんたちと三ツ星のレストランめぐりをした。

最初はマトエーヌ広場の「サンドランス」である。ここはリチャードの治療室があるので良く覚えていた。2番目のレストランはダニエルの治療室の近くにあり、また六本木ヒルズの中にもある「ラトリエドゥジョエル・ロブション」である。ここの魚料理は格別美味しかった。最後のフランス料理は、ブローニュの森にあり、なかなか予約が取れない「プレカトラン」であった。このレストランは従業員のサービスや料理が最高であった。値段もまた別格である。

価値観とは、そのものの価値の他にいかにサービスを提供できるかにもよることが良く分かった。

帰国前の夕食は、ここフランスで最も成功したニノさんの自宅に招待された。パリからベルサイユ宮殿の間にあるとても立派な邸宅に私たち一同はただびっくりするばかりであった。

1人の日本人が空手を教えながらここパリの街にあるファッションのエスモード学園に入学して東京さらには全世界で多くの学校の頂点に立ったわけである。その成功は、彼の内面にある多くの苦難を乗り越えられる力強さによるものだと感じられた。私はこの時に人生の幸せは与えられた人生の苦難を克服した時に得られることを感じた。

パリで初めてルーブル博物館を見学した。ここで見た本物のモナリザの絵には多くの人が集まっていた。1日では到底見ることが出来ない名画がここにはある。今度パリに来るときには1日がかりでこのルーブル博物館を見学しようと思っている。

パリで見られるもう1つの光景はカフェである。私は朝早く起きて色々なカフェで朝食をとった。ホテルの近くのカフェの主人とは顔なじみになり、色々なフランス語を教えてもらった。

帰国する日の朝、主人から「夕食時にショーがあるから来てくれ」と言われた。ショーは見てみたかったが、その日に帰国してしまうため見ることはかなわず、「今度着た時には必ず行く」といって丁寧に断った。とてもやさしい人間味のある主人であった。

ヨーロッパでもう1つ好きな町はイタリアのローマである。

数年前に私がヨーロッパ・カイロプラクティック協会の招待でギリシャ側のキプロス島で講演した時にローマで一泊した。ホテルの近くのレストランで昼食を取っていたら、レストランのウェイターがレストランの前の交差点で待っている老人のところまでわざわざ走って行き、老人の手をとって交差点を渡るのを目にした。

渡り終わると自分のレストランに案内しようとするではないか、なかなかの商魂である。ローマのコロシアムの近くには中世の服装を着たイタリア人が観光客の近くに寄ってきて、写真をとる。すると法外なチップを要求する。ホテルのロビーには二束三文の宝石やおみやげ物を持ってきては高く売りつける人もいる。

メキシコのティオワナでは最初の価格から十分の一になっても売ろうとしている。キューバのハバナではレストランで食事をしていると葉巻を半額で売りにくる。とにかく世界の観光地には商売上手な人が集まってくる。

私は世界を旅するたびに日本のすばらしさに痛感させられる。

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