カイロプラクティックを学んだおかげで、私は世界中に友人を作ることができた。カイロプラクティックとは、脊椎のずれによって生じるサブラクセイション（神経圧迫）を取り除くことを専門とする職業である。

人間の中にある誰しもが平等に持っている治る力（先天性治癒力）を100％働かせるためには、サブラクセイションを取り除かなければならない。そのためには、どこにサブラクセイションが起こっているのかを見つけなければならない。

私の師匠であるドクター・クリアランス・ガンステッドは、私にサブラクセイションを見つけるための評価法を教えてくれた。

まず、脊椎の可動性の検査である。カイロプラクターは、患者の脊椎の可動域が正常であるか否かを検査しなくてはならない。可動域が正常ではないとしても、まだサブラクセイションとは特定できない。

次に、レントゲンを見て、骨の形が正常からどれくらいずれているのか、あるいはどのようにずれているかを知らなければならない。レントゲンはサブラクセイションの場所を教えてはくれないが、少なくとも骨の形を教えてくれる。また患者が抱える症状や痛み、痺れの場所からもサブラクセイションを特定できる。

しかし、一番信頼のできるのは、科学的な測定器具である。科学的な神経圧迫の測定器具は主に2種類存在する。

1つ目は、左右の脊椎から出ている神経の出口での温度差を測定するものである。ジョンホプキンス大学で研究していた植松教授は、左右の脊椎から出ている神経の出口の温度差が0.3度以内であれば正常であり、0.9度の差があると病理が発生すると述べている。

2つ目は、ヒルトンの法則により長期にわたって神経圧迫が続くと脳は異常な刺激を受容して筋肉が硬直することを利用して、その硬直を測定するものである。

多くのカイロプラクターが、その本来の姿である脊椎複合サブラクセイションの矯正のみに従事すれば、カイロプラクティックという職業は国民に認知されることだろう。ただ目的も無く骨を矯正（動かす）したりしたら、患者は症状を自分の治癒力でとりのぞくことはできなくなる。

人間が自分の中にある悪い部分を自分の治癒力によって正常にできるのは、全身に張り巡らされている神経組織が正しい情報を脳に伝えているからである。

もし、サブラクセイションによる神経圧迫が起こると、正しい情報は脳へ伝達されなくなり、治癒力が働かなくなるのである。