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サブラクセイション その2

例えば、肩こりは頚椎におけるサブラクセイション(神経圧迫)により、ヒルトンの法則が体の中に起こるために発生するのである。

ヒルトンの法則とは、体の中において、長期的にサブラクセイション(神経圧迫)が起こると、異常な刺激が脳へ伝わって、筋肉が硬くなり、自分を守ろうとするために起こる自己防衛機能のことである。

これらの筋肉をマッサージしたり、針を打ったりしても、一時的には肩こりは取れるが、またしばらくすると元に戻ってしまう。脊椎サブラクセイション複合症をカイロプラクティックの矯正により治さない限り、完全には治すことができない。

私の患者で今までいつもマッサージにかからなければ肩凝りが治らなかったという人達がカイロプラクティックの矯正を受けることによって治ったと言うことが多く見られる。これは頚椎の神経圧迫が取り除かれて、その筋肉を支配している神経が正常に機能して、ヒルトンの法則が起こらなくなったことを意味している。

痛みや痺れについてもまったく同じことである。

神経圧迫が長い間続くと、筋肉の凝りから痛みに変わってくる。すなわち、長期的に神経圧迫が起こることにより、人間の内にある知能は痛みとして警告を出すわけである。それでも脊椎サブラクセイション複合症を取り除かなければ、今度は次のレベルの警告としてしびれという症状で私たちに知らせてくれる。

そして、神経圧迫が80%以上になると、麻痺となり、「もう手遅れですよ」と教えてくれる。ここまでくるといくら優秀な経験のあるカイロプラクターでさえも治すことができなくなる。すなわちカイロプラクティックの限界となるわけである。

このように、自分で異常を感じれば、脊椎サブラクセイション複合症を認識することができる。しかし、人間の体の中に起こっている異常は西洋医学の諸検査によってのみ知ることができる。

人間の内にある自然治癒力(イネイト・インテリジェンス)は体の内外の異常を、体の隅々まで張り巡らされている神経組織と各関節の中にある感覚受容器によって知り、治る力を働かせる。

癌であれば、マクロファージ、キラーT細胞などを、神経組織を介して送る。切り傷でも血液凝固物質を送り、出血を止める。アレルギー体質の患者でも副腎の神経支配をしている胸椎9番のサブラクセイションを見つけ、そこを正しく矯正してサブラクセイションを取り除いてやることによって、皮膚病やアレルギー体質を自分で治してしまう。

内なる偉大なる力は(体をコントロールしているイネイト・インテリジェンスの力)、体の中に入った毒素を外に排出したり、不必要なものも排出したりしている。

さらにすごいことは私たちが食べたものを分解し、色々なビタミン、ミネラル、などの栄養素をすべての組織細胞に送り続けているということである。この偉大なる力を100%働かせることを目的として行うのならば、カイロプラクティックの価値はとても大きなものとなる。

サブラクセイションを見つけ、その骨だけをサブラクセイションが起こった時のみ矯正するのがカイロプラクティックである。

だから、むやみに骨を動かしてはいけない。

カイロプラクティックとは脊椎に発生したサブラクセイションを見つける科学であり、なぜサブラクセイションが無くなると、症状が無くなるのかを説明する明確な哲学が無くてはならない。そして、さらにサブラクセイションを取り除く芸術的な技術が無くてはならない。

それは一朝一夕にマスターできるものではない。

そのためには、根気と絶え間ない訓練が必要である。

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